2008年10月14日

ある病棟の一日【その8】

本来、整形外科は隣の病棟に行くものだったようで、自分のいた病棟には外科や泌尿器科の患者が多かった。ある日、同室に入院してきたAさん(仮名)は癌を患っていた。

ベッドで静かにしているのが苦手な俺はよく、運動不足解消のために階段を上り下りしたりしていた。そんなときによく階段脇のソファで休んでいたのだが、Aさんもそのソファがお気に入りのようで、よくそこで顔を合わせ、話をした。

どうやらAさんは自分の父親と同じ年齢で、若い頃にバンドをやっていたらしい。病院には音楽の話が出来る人はいなかったので、ビートルズやS&G、日本のグループサウンズなどの話などで盛り上がった。他にも、自転車の話も通じたし、PCの話や松葉杖の話も共通の話題だった。

俺が退院する直前のある日、娘の運動会をビデオ撮影したいと言い残し、彼は退院していった。俺は「お大事に。治療頑張ってください。」と伝え、別れた。彼の抗がん剤治療は始まったばかりだった。

* * *

先日、外来で久々に病院を訪れた際、偶然Aさんに遭遇した。

抗がん剤の副作用で頭は禿げ上がり、体もげっそり痩せ細っていた。退院してから2週間しか経っていないのに、元気そうだったAさんはまるで病人のようになっていた。

そもそも詳しい病状について良く知らなかったので、かなり衝撃的だった。また入院するとのことなので、次の外来のときにお見舞いしてあげたいと思う。

抗がん剤の治療って怖いね。上手くいくことを祈ってます。

ё
posted by ё ddie at 14:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | ある病棟の一日
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