2008年10月06日

ある病棟の一日【その7】

病院の食事は質素なものと相場が決まっている。

一番質素だった日の献立(夕食)は、ご飯、茶碗蒸しのようなもの、和風の漬物、洋風の漬物‥というものだった。

この日はさすがに質素すぎる食事に腹も心も満たされなかったため、食後に売店でカップラーメンを買った。すぐに病室に戻って封を空け、給湯器のある流しに移動した。

‥が、しかしカップラーメンに湯を注ぎ終わったところで、重大な問題に気がついた。

車イスの車輪を回すには、両手が必要だ。つまり、カップラーメンを持つ手が足りないのだ。

仕方なく熱湯でガンガンに暖まった容器を股の間に挟み、なんとか部屋まで戻ろうと試みてみたが、予想通り、容器は物凄く熱かった。

さらに追い討ちをかけるように、「熱っ!」と反応すると、中の熱湯が波打ってスープが足にかかりそうになる。

「熱っ!」

「うお!危ねっ!!」

と、リアクション芸人のようなことをやっていると、「大丈夫ですか?私、持ちますよ」と、救いの女神‥いや、白衣の天使が現れた。病棟で一番若い新人ナースだった。

その日のカップラーメンは格別に美味かった。

ё
posted by ё ddie at 20:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | ある病棟の一日
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